ボストンの歩き方

2016年MIT入学の学部二年の日記帳

フリースタイルダンジョンとR-指定

小さい頃、ナルトが大好きで、放映日の毎週木曜日が楽しみだったのを覚えています。大学生にもなりテレビも見なくなってそういう感が薄れていたわけなのですが、最近は毎週火曜日がとても楽しみです。

なぜなら、毎週火曜日の深夜1:30-2:00(日本時間)はフリースタイルダンジョンが放映されるからです。フリースタイルダンジョンとはラップMCバトルの番組です。ラップMCバトルとは即興ラップでお互いをdisりあったり、観客を盛り上げたりしてそのテクニックや印象で勝敗を決めるというものです。この番組にはモンスターといわれる、HIP HOPを代表する6人のラッパーがおり、チャレンジャーはこの中から選ばれる4人と対戦してどんどんとダンジョンを進んでいきます。といってももちろんモンスターたちはどれも凄腕ラッパーのため、ほとんどのチャレンジャーは第一ステージ、第二ステージで脱落してしまうのですが、運よく(?)第四層まで倒すと出てくるのがラスボスの般若という伝説的ラッパーです。

この番組で面白いのは、出てくるラッパー誰もが日本トップクラスのアーティストだということ。モンスターもチャレンジャーも全国大会で優勝しているようなバトルラッパーなので素人目でもリズムの取り方や、韻の踏み方、言葉の選び方など鳥肌が立つほどすごいのが分かります。

 

さて、このフリースタイルダンジョンは現在第5シーズンを放送中なのですが、今が過去一番に面白いと言ってもいいぐらい面白いです。というのは現在行われているのは新旧モンスター対決だからです。

 

実は現在のモンスターたちは第二代モンスターです。初代モンスターとして第三シーズンまで勤め上げてきたのは、漢 a.k.a. GAMI、DATOMA、CHICO CARLITO、T-Pablow、サイプレス上野、そしてR-指定という当時の新進気鋭から大御所までを集めた盤石の布陣。あまりにも強すぎるメンツのため、このダンジョンは無理ゲーと言われていました。特にラスボス般若前に立ちはだかるR-指定はUBM(ラップMCバトルの日本一を決める大会)で史上唯一3連覇を果たした正真正銘の最強ラッパーで、即興とは思えない手の込んだ韻の踏み方、文学的な掛詞(ダジャレラップと揶揄される)などめちゃくちゃかっこいいです。事実、たくさんの挑戦者がこのダンジョンに挑むも、突破して賞金100万円を獲得したのはUBMでR-指定の前に2連覇を達成している晋平太ただ一人。

関係ないですが、晋平太vsR-指定のラップバトルはお互いにものすごいテクニックでせめぎあうとともにムチャクチャ熱い気持ちのぶつかり合いで一見の価値ありです。

 

その後、シーズン4からモンスターは一新し、ACE、裂固、崇勲、輪入道、呂布カルマ、そしてFORKというまたまた豪華メンツに変わりました。しかしなんとこの最強メンツがLick-G、にがり a.k.a. 赤い稲妻と立て続けにダンジョン突破を許してしまったのです。そしてこのメンツに代モンスターが喝を入れに来ているという感じです。

 

ネタばれしたくないので、詳細は省きますが、現在ダンジョンに挑戦しているのはその初代の中の最強と言われるR-指定です。そして、それに迎えうつ第一層に名乗りを上げたのは二代モンスター最強の呼び声高いFORKです。この二人の対決は、youtubeなどに落ちているので、ぜひ見てほしいです。とにかく即興なのにお互いのリリックがとても文学的、しかもライムで踏む連続音節の数がすごい。さらにいろいろとメタな要素(ほかの有名HIP HOPやJPOPの歌詞の引用や時事問題の隠喩)も盛り込んでいて頭の回転早すぎ!って感じです。試合後に呂布カルマが、この試合に勝敗をつけるのは野暮なはなしという通り、芸術っていう感じの戦いです。ぜひ見てみてください。

 

ではでは、